静屋~日本人のための美容と健康~

[静屋小噺]女性の正装「訪問着」をご存知ですか?

洋服が当たり前となった今の日本、「訪問着」という言葉を知らない人も多いのではないでしょうか?
これは女性用の着物の一種で、「訪問」つまりは「お出かけ」用の服です。
明治時代に産まれた着物で、もともとは家紋を入れるのが原則でした。
フォーマル衣装の格付けとしては準礼装の扱いで、家紋が入った訪問着は結婚式にも着ていける正装となります。
家紋の無い訪問着はややカジュアルな扱いとなるので、結婚披露宴にはふさわしくないとされることもありますが、結婚式の二次会やお祝いパーティーであれば問題なく着用できます。

保護者として入学式・卒業式・七五三に着ていったり、若い人であれば成人式に着ていくのもOKです。
袖や胸に柄があることが多く、比翼仕立てになっていないのが特徴です。
また、帯は袋帯にすることが多く、長襦袢は着物の色と合った色にするのが普通です。

今や着物を仕立てること自体が少なくなり、街では訪問着を見かけることも少なくなってしまいましたが、ハレの日に訪問着を着て出席している女性を見ると、日本人としての風格や奥ゆかしさが感じられて、好感が持てますよね。
髪をまとめてきれいなうなじが見えるのも、男性にとっては心をくすぐられるポイントではないでしょうか。
古き良き時代を受け継ぐ正装として、これからも廃れないでほしいものです。